スウェージング加工とラジアルフォージングの違い
シャフト
目次
- スウェージング加工とは
- スウェージング加工の特徴
- スウェージング加工の活用領域
- ラジアルフォージングとは
- ラジアルフォージングの特徴
- ラジアルフォージングの活用領域
- スウェージング加工とラジアルフォージングの違い
- 都筑製作所が所有する設備仕様(ラジアルフォージング)
- ラジアルフォージングの設備仕様
- 鍛造可能なサイズ
- シャフトの加工・量産についてご相談ください
1. スウェージング加工とは
丸棒や円管状の線材やパイプ材を任意の径に絞る加工がスウェージング加工(swaging)です。
回転冷間鍛造加工とも称します。
分割された金型が回転しながら線材を連続的に叩くことで外径を圧縮成形させる鍛造加工方法の一種です。
スウェージング加工の特徴
- 分割された金型で複数面から線材を叩き伸ばす
- 勾配をつける、伸ばす、細くするなどの変形が可能
- 切削せずに金属線材を減径させる
- 冷間鍛造(常温のまま材料に圧力を加え成形する加工法)
|スウェージング加工の活用領域
- 自動車やバイクのシャフト、排気管など
- 産業機器のシャフト・バルブ・パイプなど
- 医療用針やノズルなどの医療器具
2. ラジアルフォージングとは
ラジアルフォージングはハンマー(金型)によって中空軸の径方向から力をかけ塑性させる加工方法です。
中空軸に芯金(マンドレル)を挿入し内径形状を転写させることで、内側と外側から同時に成形することができます。
都筑製作所ではラジアルフォージングの設備を導入し、お客様の課題解決にお応えしています。
|ラジアルフォージングの特徴
- 「熱間鍛造・温間鍛造・冷間鍛造」 の対応
- 厚肉シャフトやフランジが付いたシャフト形状でも鍛造加工可能
- 部分温間加工で端部のみの増肉(アップセット)なども可能
- 内径SPLなど精度が必要な部位は冷間にて鍛造加工可能
- 1チャックで多段形状が成形可能(ハンマーNC制御)
- スウェージング加工のように複数設備を並べる必要がない
- 段取り時間が少なく複数機種に対応可能
- 内径形状の加工
- 外側からのハンマーリングと内径心棒(マンドレル)の位置制御で、内径形状の加工が可能
|ラジアルフォージングの活用領域
- シャフト・軸物の軽量化
- シャフト・軸物の内径形状の加工
- 2部品構成の一体化
- 部位により肉厚の違うシャフトの加工
3. スウェージング加工とラジアルフォージングの違い
スウェージング加工とラジアルフォージングの違いを簡単にまとめました。
スウェージング加工 | ラジアルフォージング | |
ツール位置 | ツール調整幅が小さく、メカセッティングが都度必要 | ツール位置調整はNC制御 |
多段加工 |
多段加工の場合は複数台設備を並べて加工 ・加工形状によっては3ステップが必要 |
ロングストロークのため、多段加工が1台で可能 ・基本的に1ステップで可能 ・金型がコンパクトなため、段取りも数分で可能 |
ラジアルフォージングの資料をダウンロードいただけます
4. 都筑製作所が所有する設備仕様(ラジアルフォージング)
|ラジアルフォージングの設備仕様

ハンマーの数 | 4 pcs. |
ハンマーあたりの最大鍛造力 | 1,500 kN |
ストローク数(打撃数) |
1,200 min-1 |
鋳造ストローク |
7 mm |
成形開始最大径 |
Φ120mm(冷間鋳造時はΦ80mm) |
最小成形寸法 |
Φ12mm |
成形ワーク長さ |
140〜800mm |
|鍛造可能なサイズ
- 外径φ20-120(80)mm
- 長さ140-800mm
- 重量10kg
中空シャフト・中空軸は軸受やクランクなどで活用され、部品軽量化が求められる電気自動車(EV)の分野でも注目されています。
ラジアルフォージングの資料をダウンロードいただけます
5. シャフトの加工・量産についてご相談ください
都筑製作所では下記の課題にお応えいたします。
- 軸物(シャフト)軽量化したい
- 削加工部位を減らして、コストダウンしたい
- 2部品構成を一体化して、強度アップしたい
- 軸物(シャフト)内径を加工して、付加機能を持たせたい
- マグネット内蔵シャフトについて相談したい
都筑製作所は複雑形状、高精度加工も得意領域です。
ラジアルフォージングの導入に合わせ、軽量化などの技術開発にも取り組み、仕様提案でお客様のソリューションに貢献いたします。ぜひお気軽にご相談ください。